地すべり関連計器の製造・販売

パイプ歪計

パイプ歪計はボーリング孔に固定し、地すべりによるパイプのたわみをひずみゲージの伸縮によって検出し、そのデータからすべり面の位置を判定するために使用されます。

ひずみ値で地すべり位置を検出

  • ケーブルの深度表示が区間毎に色分けしてあるので計器への接続が容易です。
  • 通常の1方向計測タイプの他、すべり方向の見極めが困難な箇所で使用される2方向計測タイプがあります。
  • 埋設時のコード損傷を防ぐため、コードをパイプの中に通して設置する「内線式」歪計もあります。
  • センサ間隔を短くしたタイプや、2深度分を1本のコードで接続したタイプなど、各種バリエーションがあります。

塩ビパイプはソケットのいらないオス・メス加工となっていますが、確実に接続するために別途「塩ビ用接着剤」が必要となります。
塩ビ用接着剤はホームセンター等でお求めください。

仕様

使用パイプ 硬質塩化ビニールパイプ(JIS6741 VP管)
使用ゲージ ゲージ抵抗値:120Ω±0.5Ω
ゲージ率:2.13±1%
結線方式:2ゲージ3線式
センサ間隔 1m毎(標準品)
許容電流 10mA
ゼロバランス
製造時基準値
0±500μstrain以内
※バリエーション品は0±800μstrain以内
※埋設後の初期値ではありません
測定範囲 0±32000μstrain
※当社製測定器の場合

製品バリエーション

通常品:外線式(在庫品)

  • VP40管仕様の標準タイプの歪計です。
  • 1方向測定用と2方向測定用があります。
  • 有孔管フィルタ巻仕様(水位観測併用可能)と無孔管仕様があります。
  • 地上部のコード長は2mです。
  • VP50管仕様は受注生産

通常品:内線式(在庫品)

  • コードを塩ビパイプの中に通したタイプの歪計です。
  • 孔壁でコードを損傷する心配がなく、グラウトも容易です。
  • パイプの中にコードがあるため無孔管仕様となり、水位観測の併用はできません。
  • 管の内径により内線できるコード本数には制限があります。
内線可能なコードの本数
VP管 内線可能コード数
VP40 最大25本

6芯変換タイプ(2m連結式)

  • 1方向測定用のパイプ歪計の上下2深度分を6芯コードでつないだタイプの歪計です。
  • 地上部からでるコードの本数が通常の半分になりますので調査深度が深い場合などでもボーリング径を小さくすることができます。
  • 出荷時はヌンチャク状になっています
  • 1方向測定タイプのみ

0.5mピッチタイプ

  • 1本の塩ビパイプに2点の測定部をつけ、測定間隔を0.5mピッチにした歪計です。
  • すべり面の深度をより正確に把握したい場合などに使用します。
  • 1方向測定用の場合は1本につき6芯コードが1本出ます。
  • 2方向測定用の場合は1本につき6芯コードが2本出ます。

小口径タイプ

  • VP13管、VP16管、VP20管仕様の細いパイプ歪計です。
  • 計測不能となった既設パイプ歪計内に再設置するなど様々な用途にご使用いただけます。
  • 孔曲がりしている既設管には挿入できない場合がありますので事前に調査が必要です。
VP40管内に収まる3芯コードの点数
VP管 塩ビ外径 歪計最大外径 VP40管内
挿入可能点数
内線式可能点数
VP13 Φ18mm Φ26mm 28点 4点
VP16 Φ22mm Φ29mm 14点 6点
VP20 Φ26mm Φ33mm 10点 10点

パイプ歪計は埋設後のグラウトが重要です。推奨点数は孔口で若干の余裕がある参考数値ですが、すべり面付近の数m分だけ歪計にするなど、確実にグラウトできる点数でご使用ください。

パイプ径の違いによる出力値について

パイプ径の違いにより2ゲージの間隔が狭くなると同じだけパイプが曲がった場合でもひずみゲージの伸縮状態が異なるため出力されるひずみ値に違いが生じますのでご注意ください。パイプの直径が小さくなると出力されるひずみ値が小さくなります。出力されるひずみ値はほぼパイプの直径割合に比例します。

アルミガイドパイプタイプ

  • アルミガイドパイプ仕様のパイプ歪計です。
  • 孔内傾斜計と併用して使用することが可能です。
  • 孔曲がりなどで孔内傾斜計での計測が不能となった後も歪計測を継続できます。
  • アルミガイドパイプ3mを使用し、測定点3点を9芯コード1本に連結しているため、コードの本数が少なくなります。
  • 3m管に連続3点センサー取付の場合